「赤い帽子白い帽子」は、作詞・武内俊子、作曲・河村光陽による童謡です。昭和13年(1938年)1月下旬、キングレコードから発売されました。河村光陽の自筆楽譜には、昭和12年(1937年)10月20日の日付が記されており、作曲された時期も確認できます。
歌に登場するのは、赤い帽子と白い帽子をかぶった二人の女の子です。ランドセルを背負い、手を振りながら通学し、草の道を駆け、お弁当を持って仲よく歩く――そんな子どもたちの日常の姿が、明るく生き生きと描かれています。
この歌の魅力は、特別な出来事ではなく、子どもたちの何気ない毎日の楽しさを歌っているところにあります。「仲よしさん」「いつも」という言葉が繰り返されることで、二人の親しい関係と、毎日元気に通学する姿が印象に残ります。
作詞者の武内俊子は、当時としては珍しい女性の童謡詩人で、母親としての生活経験を生かした、温かみのある作品を数多く残しました。「かもめの水兵さん」「リンゴのひとりごと」「船頭さん」なども武内俊子の作品です。この「赤い帽子白い帽子」にも、子どもを見守る母親のような優しいまなざしが感じられます。
1945年(昭和20年)、三十九歳の若さで病死されたそうです。優しい詩をたくさん残されていることからも、心優しい女性、お母さんだったことでしょう。
一方、作曲者の河村光陽は、昭和初期を代表する童謡作曲家の一人です。この曲では、スキップをするような弾んだリズムが使われており、子どもたちが楽しそうに歩いたり駆けたりする様子によく合っています。
また、河村光陽は同じ頃に童謡「仲よし小道」も作曲しており、どちらも子どもたちが道を歩く情景を描いているため、混同されることがあります。しかし、「赤い帽子白い帽子」は、赤と白の帽子をかぶった二人の女の子の登校風景を中心にした作品です。
昭和の子どもたちの学校生活を思わせる「ランドセル」「お弁当」「草の道」などの言葉からは、今とは少し違う時代の風景が浮かびます。それでも、友達と一緒に歩き、笑い、歌う楽しさは、時代が変わっても変わらないものです。
「赤い帽子白い帽子」は、そんな子ども同士の友情と、穏やかな日常の幸福を素朴に歌った名作童謡として、現在まで親しまれています。
赤い帽子 白い帽子
赤い帽子 白い帽子 作詞:武内 俊子/作曲:河村 光陽
1
赤い帽子 白い帽子 仲よしさん
いつも通るよ 女の子
ランドセルしょって お手々をふって
いつも通るよ 仲よしさん
2
赤い帽子 白い帽子 仲よしさん
いつも駈けてく 草の道
おべんとうさげて お手々をくんで
いつも駈けてく 仲よしさん
3
赤い帽子 白い帽子 仲よしさん
いつもたのしい 笑い声
おひより小みち かげぼうしふんで
いつもたのしい 仲よしさん
4
赤い帽子 白い帽子 仲よしさん
いつも可愛い 歌い声
黒い靴はいて 赤い靴はいて
いつも可愛い 仲よしさん

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