作曲:アントニオ・ルビーラ(Antonio Rubira)
発表・出版年:1913年ごろ
「愛のロマンス」は、クラシック・ギターの名曲として世界中で親しまれている作品です。「禁じられた遊び」「ロマンス・アノニモ(無名のロマンス)」などの名前でも知られています。
この曲は長い間、スペイン民謡あるいは作者不詳の作品と考えられてきました。しかし現在では、スペインのギタリスト、アントニオ・ルビーラが作曲したギターのための練習曲が原曲であるという説が広く知られています。ルビーラの作品として1913年ごろに出版された記録があり、古くからギター奏者の間で演奏されてきました。
この曲が世界的に有名になった大きなきっかけは、1952年公開のフランス映画『禁じられた遊び』です。映画音楽を担当したスペインのギタリスト、ナルシソ・イエペスの美しい演奏によって広く知られるようになり、日本でも「禁じられた遊び」の主題曲として親しまれています。
静かに始まる哀愁を帯びた旋律は、クラシック・ギターの柔らかな音色とよく調和しています。前半の短調によるもの悲しい雰囲気から、後半で長調へ移ることで、明るさと希望を感じさせる音楽へと変化します。その美しく覚えやすい旋律から、現在でもギターを学ぶ人の定番曲として演奏されています。
映画の印象と結びついたことで、「愛のロマンス」は単なるギター曲を超え、映画音楽を代表する名曲の一つとなりました。作者や成立についてはなお諸説がありますが、長い年月を経ても人々の心に残る、哀愁と美しさを兼ね備えた作品です。
愛のロマンス(禁じられた遊び)
作曲 アントニオ・ルビーラ
映画「禁じられた遊び」では、戦争によって両親を失った少女ポーレットと少年ミシェルの姿が描かれます。二人が動物の小さな墓を作る「遊び」を通して、幼い子どもたちの純粋さと戦争の悲しさが浮かび上がります。そのため、この曲の静かで寂しげな旋律が、失われた幼い日々や別れの悲しみを象徴する音楽として強く印象に残ります。

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