作詞:野口雨情 作曲:藤井清水
発表年:1921年(大正10年)
「風に吹かれて」は、詩人・野口雨情が作詞し、作曲家・藤井清水が曲をつけた作品です。1921年(大正10年)に刊行された野口雨情の詩集『別後』に、「烏(からす)」という原題で収められた作品がもとになっています。現在知られている「風に吹かれて」という題名は、その後の作品集『雨情民謡百篇』にも収録されています。
歌詞には、「風に吹かれて、そよそよと」と始まり、山の枯葉が落ち、木曽に木榧の実が熟れる秋の情景が描かれています。そして「かへれ信濃の旅烏」と呼びかける言葉から、信濃の山里を旅する鳥や、人の旅情を重ね合わせたような郷愁が感じられます。
後半では、茶の樹畑や鳩の姿が登場し、素朴な農村の風景が目に浮かびます。大きな出来事を描くのではなく、風、枯葉、木の実、鳥といった身近な自然を通して、静かな寂しさとふるさとへの思いを表現しているところに、野口雨情らしい詩情があります。
作曲を担当した藤井清水は、野口雨情の詩に数多くの曲をつけた作曲家で、この「風に吹かれて」も1921年の作品として記録されています。
風に吹かれて
風に吹かれて 作詞:野口 雨情/作曲:藤井 清水
風に吹かれて そよそよと
山の枯葉は 皆落ちた
木曾に木榧の 実は熟れる
かえれ信濃の 旅烏
茶の木畑の 豆食べた
鳩は畑の どこで啼く
木榧=榧(カヤ)の木
神社・寺院等に大木が見られます。
イチイ科の常緑針葉高木で寿命は1000年にも及び、高さ25m、直径2m程度にまで育ちますが、成長スピードは極めて遅いということです。葉は線形で枝に2列に並び、堅く先端が針状に尖って触ると非常に痛いです。

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