見わたせば(見渡せば 青やなぎ)

童謡・唱歌

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作詞:柴田清煕(しばた せいき)、稲垣千頴(いながき ちかい)
作曲:ジャン=ジャック・ルソーと伝えられる
発表年:1881年(明治14年)
初出:『小学唱歌集・初編』
備考:現在よく知られている「むすんでひらいて」と同じ旋律です。

「見わたせば」は、1881年(明治14年)に文部省音楽取調掛が編集した『小学唱歌集・初編』に収められた唱歌です。作詞は柴田清煕と稲垣千頴、作曲はジャン=ジャック・ルソーと伝えられています。『小学唱歌集・初編』は、日本の近代的な学校音楽教育の基礎となった最初期の唱歌教材集で、「見わたせば」はその中の一曲として掲載されました。

歌詞は、春と秋の美しい自然を描いた格調高い文語調になっています。1番では、青柳や桜が入り混じる春の都を「春の錦」にたとえ、春の女神である佐保姫が織り上げた美しい織物のように表現しています。2番では、山辺や峰、麓を彩る紅葉を秋の錦に見立て、秋の女神・竜田姫が織りかけたものとして描いています。

この曲の旋律は、後に「むすんでひらいて」として広く知られるようになりました。そのため、「見わたせば」は、現在の「むすんでひらいて」につながる重要な歌としても知られています。明治期の唱歌として生まれた旋律が、時代を越えて子どもの遊戯歌として親しまれるようになった点も、この曲の大きな特徴です。

なお、ジャン=ジャック・ルソー作曲という説には研究上の議論があります。『小学唱歌集・初編』には作曲者名が記載されておらず、後の資料によってルソー作曲説が広まった経緯が指摘されています。

見わたせば

見わたせば  作曲者:ジャン=ジャック・ルソー
       作詞者 :  柴田清煕、稲垣千頴

見渡せば 青やなぎ
花桜 こきまぜて
みやこには 道もせに
春の錦をぞ
佐保姫の 織りなして
降る雨に そめにける

見渡せば 山べには
尾上にも ふもとにも
うすき濃き もみじ葉の
秋の錦をぞ
竜田姫 織りかけて
つゆ霜に さらしける

「道もせに(道も狭に)」とは「道も狭くなるほどに。道いっぱいに」ということで、「佐保姫 /竜田姫」は、それぞれに「春の女神/秋の女神」のことです。

歌詞は「古今和歌集」第一巻に収められた素性法師による次の和歌を題材にしたものですが、小学生には難しい内容の歌詞となっています。

「みわたせば 柳桜をこきまぜて 都ぞ春の錦なりける」花盛りの京を詠んだ歌です。

その後に日本の軍国色が濃くなると、同じメロディーで軍歌調の「戦闘歌」が持てはやされるようになる。この歌は当時の東京音楽学校教授である鳥居忱が作詞し、1895年に軍歌集「大東軍歌」に掲載された。

第二次世界大戦の終戦から2年後の1947年、小学一年向けに刊行された最初の音楽の教科書「一ねんせいのおんがく」に、新しい歌詞で登場したのが「むすんでひらいて」であり、その後も歌い続けられ、現在でも童謡、唱歌として親しまれている。

「戦闘歌」の歌詞(1895年 作詞:鳥居忱)

見渡せば 寄せて来る 敵の大軍 面白や
スハヤ戦闘(たたかい)始まるぞ イデヤ人々攻め崩せ
弾丸(たま)込めて撃ち倒せ 敵の大軍撃ち崩せ
見渡せば 崩れ懸る 敵の大軍心地よや
 モハヤ戦闘(たたかい)勝なるぞ イデヤ人々追い崩せ
銃剣附けて突き倒せ 敵の大軍突き崩せ

むすんでひらいて   作詞:不詳
           作曲:ジャン・ジャック・ルソー

むすんでひらいて 手をうって むすんで
またひらいて 手をうって その手を上に
むすんでひらいて 手をうって むすんで

むすんでひらいて 手をうって むすんで
またひらいて 手をうって その手を下に
むすんでひらいて 手をうって むすんで

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