見わたせば(見渡せば 青やなぎ)

童謡・唱歌

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「見わたせば」は、1881年(明治14)の小学唱歌集初編に掲載されましたが、1947年(昭和22年)「一ねんせいのおんがく」ではそれとは異なる歌詞で「むすんでひらいて」として掲載されました。

このメロディーが日本で最初に用いられたのは、1874年頃の賛美歌「グリーンヴィル」としてであり、キミノミチビキという日本語の歌詞がつけられた。1931年(昭和6年)以降は賛美歌集に掲載されていないが、外国では現在も賛美歌として歌われています。

賛美歌として紹介された7年後(1881年)に、同じメロディーが「見渡せば」という新しい題名と歌詞で、文部省が発行した「小学唱歌集」初編に掲載された。この歌の歌詞は、国文学者の柴田清照と稲垣千頴が、平安時代の古今和歌集にある素性法師の和歌 「みわたせば柳桜をこきまぜて宮こぞ春の錦なりける」を基にしています。

見わたせば


見わたせば
        作曲者:ジャン=ジャック・ルソー
        作詞者 :  柴田清煕、稲垣千頴

見渡せば 青やなぎ
花桜 こきまぜて
みやこには 道もせに
春の錦をぞ
佐保姫の 織りなして
降る雨に そめにける

見渡せば 山べには
尾上にも ふもとにも
うすき濃き もみじ葉の
秋の錦をぞ
竜田姫 織りかけて
つゆ霜に さらしける

「道もせに(道も狭に)」とは「道も狭くなるほどに。道いっぱいに」ということで、「佐保姫 /竜田姫」は、それぞれに「春の女神/秋の女神」のことです。

歌詞は「古今和歌集」第一巻に収められた素性法師による次の和歌を題材にしたものですが、小学生には難しい内容の歌詞となっています。

「みわたせば 柳桜をこきまぜて 都ぞ春の錦なりける」花盛りの京を詠んだ歌です。

その後に日本の軍国色が濃くなると、同じメロディーで軍歌調の「戦闘歌」が持てはやされるようになる。この歌は当時の東京音楽学校教授である鳥居忱が作詞し、1895年に軍歌集「大東軍歌」に掲載された。

第二次世界大戦の終戦から2年後の1947年、小学一年向けに刊行された最初の音楽の教科書「一ねんせいのおんがく」に、新しい歌詞で登場したのが「むすんでひらいて」であり、その後も歌い続けられ、現在でも童謡、唱歌として親しまれている。

「戦闘歌」の歌詞(1895年 作詞:鳥居忱)

見渡せば 寄せて来る 敵の大軍 面白や
スハヤ戦闘(たたかい)始まるぞ イデヤ人々攻め崩せ
弾丸(たま)込めて撃ち倒せ 敵の大軍撃ち崩せ
見渡せば 崩れ懸る 敵の大軍心地よや
 モハヤ戦闘(たたかい)勝なるぞ イデヤ人々追い崩せ
銃剣附けて突き倒せ 敵の大軍突き崩せ

むすんでひらいて   作詞:不詳
           作曲:ジャン・ジャック・ルソー

むすんでひらいて 手をうって むすんで
またひらいて 手をうって その手を上に
むすんでひらいて 手をうって むすんで

むすんでひらいて 手をうって むすんで
またひらいて 手をうって その手を下に
むすんでひらいて 手をうって むすんで

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