作詞:竹久夢二(たけひさ ゆめじ)
作曲:多忠亮(おおの ただすけ)
「宵待草」は、竹久夢二作詞、多忠亮作曲による、大正時代を代表する叙情歌です。夢二は画家として有名ですが、詩人としても多くの作品を残しており、「宵待草」はその代表作の一つです。
この作品の原詩は、1912年(明治45年)6月、雑誌『少女』に発表されました。その後、1913年(大正2年)に刊行された夢二の絵入り小唄集『どんたく』に、現在知られている三行詩の形で収録されました。
この詩に感銘を受けたヴァイオリニストの多忠亮が曲をつけ、1917年(大正6年)に音楽会で発表しました。さらに1918年(大正7年)に楽譜が出版されると、演歌師などによって全国に広まり、広く親しまれる歌となりました。
歌の内容は、待ち続けても姿を見せない恋人を思う、女性の切ない心を描いたものです。「宵待草」に恋する人を待つ女性の姿を重ね、「待てど暮らせど来ぬ人」という言葉によって、叶わぬ恋の寂しさを表現しています。
さらに「今宵は月も出ぬさうな」という結びによって、恋人の来ない寂しさと、月さえ姿を見せない暗い夜の情景が重なります。短い詩の中に、待つことの切なさ、孤独、諦め、そして消えない恋心が凝縮されています。
真実は定かではありませんが、竹久夢二が27歳の時に千葉県の銚子市で偶然に出会った女性との、淡く儚い恋を詩に書いたもの、との説もあるようです。
宵待草
うた
演奏
宵待草
作詞:竹久 夢二/作曲:多 忠亮
待てど暮らせど 来ぬ人を
宵待草の やるせなさ
今宵は月も 出ぬそうな
宵待草 (竹久夢二・原詞)
遣る瀬ない
釣り鐘草の夕の歌が
あれあれ風に吹かれて来る
待てど暮らせど来ぬ人を
宵待草の心もとなき
思ふまいとは思へども
我としもなきため涙
今宵は月も出ぬさうな

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