作品名:Comin' Thro' the Rye with Variations
作曲・出版年代:1882年ごろ
編成:クラリネットとピアノ
原曲:「Comin' Thro' the Rye(故郷の空)」スコットランド民謡
「故郷の空 変奏曲」は、スコットランド民謡「Comin' Thro' the Rye(ライ麦畑で出逢うとき)」を主題として、「E・S・ソーントン」が作曲した変奏曲です。作品は《Comin' Thro' the Rye with Variations》の題名で知られ、1882年の楽譜が確認されています。クラリネットとピアノのために書かれた作品で、当時のクラリネット独奏曲として演奏された記録も残っています。
原曲の「Comin' Thro' the Rye」はスコットランドの伝統的な旋律で、日本では明治時代に大和田建樹の詞による「故郷の空」として広く知られるようになりました。「故郷の空」は1888年(明治21年)刊行の『明治唱歌 第一集』に掲載され、日本人に親しまれてきた唱歌です。
ソーントンの変奏曲では、誰もが知る親しみやすい旋律をもとに、主題をさまざまに変化させながら、クラリネットの音域や技巧を生かした華やかな演奏効果が引き出されています。変奏曲とは、最初に示された主題の旋律やリズム、伴奏、音型などを変化させ、同じ主題から異なる表情を次々に生み出していく形式です。
故郷の空 変奏曲
ピアノとクラリネット演奏(作曲:ソーントン)
「故郷の空」の素朴で美しい旋律が、技巧的なクラリネット作品へと姿を変えていくところに、この曲の魅力があります。懐かしさを感じさせる主題と、19世紀の華やかな器楽演奏のスタイルが結びついた作品といえるでしょう。

0 件のコメント:
コメントを投稿