作者:瀧 廉太郎(1879~1903)
作曲年:1900年(明治33年)
「瀧廉太郎」作曲の「メヌエット」は、1900年(明治33年)に作曲したピアノ独奏曲です。彼が東京音楽学校の研究科に在籍していた時期の作品で、同年10月1日に作曲されたことが記録されています。
音楽形式のメヌエットとは、17~18世紀のヨーロッパで広まった優雅な舞曲で、3拍子の穏やかなリズムを特徴とします。瀧廉太郎はこの西洋の伝統的な形式を用いながら、端正で美しい旋律を生み出しました。
曲はロ短調、3/4拍子の3部形式で書かれています。中間部ではロ長調に転じ、再びロ短調へ戻る構成となっており、調性の変化によって曲全体に繊細な表情が生まれています。
この「メヌエット」は、日本人作曲家が本格的に作曲した最初期のピアノ独奏曲として、音楽史のうえでも重要な作品です。当時の日本では西洋音楽を取り入れる動きが盛んでしたが、瀧廉太郎は単に西洋音楽を学ぶだけでなく、日本人による独自の作品を生み出そうとしていました。
「荒城の月」や「花」などの歌曲と同じ時期に生まれた「メヌエット」には、若き瀧廉太郎が西洋音楽の作曲技法を身につけながら、新しい日本の音楽を切り開いていこうとした姿勢が感じられます。
メヌエット(瀧 廉太郎)
1901年、瀧廉太郎はドイツのライプツィヒ音楽院へ留学します。しかし病気のため短期間で帰国し、1903年に23歳の若さで亡くなりました。「メヌエット」は、短い生涯を駆け抜けた瀧廉太郎の若き才能を伝える、貴重なピアノ作品です。
滝 廉太郎の「メヌエット」は2分ほどの短い曲ですが彼の才能を示す秀作と言えるでしょう、見知らぬ童話の世界に迷い込んでしまったような楽しい曲です。歌曲が中心であった彼にとってはこの3年後に作曲された「憾(うらみ)」と共に貴重な器楽作品となっています。

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