荒磯(あらいそ)

流行歌・民謡・古謡

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作詞:水戸光圀(徳川光圀)
作曲:瀧廉太郎
作曲年:1902年(明治35年)

「荒磯」は、江戸時代の水戸藩主・徳川光圀(1628~1701)の和歌をもとに、明治を代表する作曲家・瀧廉太郎が作曲した歌曲です。瀧廉太郎は1902年(明治35年)12月29日にこの曲を作曲しており、翌1903年6月29日に23歳10か月で亡くなったことから、最晩年の作品の一つに数えられます。

歌詞は、

「荒磯の
巌にくだけし
月影を
一つになして
かへる波かな」

と歌われます。荒々しい磯の岩に砕ける波と、その波に映る月影。そして、砕けた月影が再び一つになって沖へ帰っていく波――。静かな月夜の海に繰り広げられる、幻想的で美しい情景が描かれています。

光圀の原歌では「散る月」とされていた部分が、瀧廉太郎の歌曲では「月影を」となっており、月そのものではなく、水面に映る月の姿を描くことで、より繊細で印象的な情景となっています。

荒 磯 

        

作曲された1902年、瀧廉太郎はドイツ留学から帰国した後、大分で療養生活を送っていました。病に苦しみながらも作曲を続け、10月の「別れの歌」、12月の「荒磯」、そして翌1903年2月の最後のピアノ曲「憾(うらみ)」へと続きます。

「荒磯」は、若くして亡くなった瀧廉太郎が、古典和歌の世界と西洋音楽の技法を結びつけた作品です。荒波と月影という日本的な題材を、簡潔で格調高い旋律によって描いたこの歌曲には、瀧廉太郎の短い生涯の最後に残された、静かな深い音楽性を聴くことができます。

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