1913年(大正2年)の「新作唱歌 第五集」に掲載されました。
原曲は、ドイツ民謡「Der letzte Abend」(最後の夜)です。家庭の事情で好きな女性と結婚できず、別れた最後の夜を嘆き悲しみながらも、その女性の幸せを願うという悲しい恋を歌っています。
しかしこの吉丸 一昌の歌詞では、同じ別れでも故郷を離れていく気持ちを歌っていて、明日は故郷を去らなければならない、その悲しい思いが切々と伝わってきます。最後の一文を「さらば故郷」から「故郷さらば」に変えてある、これが心憎いところです。
故郷を離るる歌
うた
演奏
故郷を離るる歌
作詞:吉丸 一昌
ドイツ民謡
1
園の小百合 撫子 垣根の千草
今日は汝をながむる 最終(おわり)の日なり
おも えば涙 膝(ひざ)をひたす さらば故郷
さらば故郷 さらば故郷 故郷さらば
2
つくし摘みし 岡辺(おかべ)よ 社(やしろ)の森よ
小鮒釣りし小川よ 柳の土手よ
別るる我を 憐れと見よ さらば故郷
さらば故郷 さらば故郷 故郷さらば
3
此処に立ちてさらばと 別れを告げん
山の蔭の故郷 静かに眠れ
夕日は落ちて たそがれたり さらば故郷
さらば故郷 さらば故郷 故郷さらば
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