故郷の廃家

童謡・唱歌

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「故郷の廃家(こきょうのはいか)」は遠く離れた故郷を思い、かつて暮らした家や過ぎ去った日々を懐かしむ心情を歌った、明治時代から親しまれてきた唱歌です。1907年(明治40年)に『中等唱歌集』に掲載され発表されました。

原曲は、アメリカの作曲家ウィリアム・シェイクスピア・ヘイズ(William Shakespeare Hays)が作曲した歌曲「The Old Folks at Home(故郷の人々)」です。日本では明治時代に紹介され、国文学者・音楽教育者の犬童球渓(いんどう きゅうけい)による日本語詞で広く知られるようになりました。

歌詞には、かつて家族と過ごした故郷の家を訪ねるものの、そこには人影もなく、ただ古びた家が残っているという情景が描かれています。静まり返った故郷の風景を前にして、過ぎ去った年月や、もう戻ることのできない少年時代を思い出す主人公の寂しさが、深い哀愁をもって表現されています。

「故郷の廃家」の魅力は、古い家という身近な題材を通して、「故郷」「家族」「思い出」「失われた時間」といった普遍的なテーマを描いているところにあります。ゆったりとした旋律ともの悲しい歌詞が重なり、聴く人それぞれの故郷や思い出を呼び起こすような味わい深い作品です。

明治・大正期の唱歌として長く歌い継がれ、現在でも懐かしい日本の歌の一つとして知られています。静かに耳を傾けると、誰もが心の中に持っている「遠い故郷」への思いを感じさせてくれる名曲です。

 故郷の廃家


うた
                     


演奏

故郷の廃家 
作詞: 犬童球渓
作曲: ウィリアム・ヘイス

1 
幾年ふるさと 来てみれば
咲く花鳴く鳥 そよぐ風
門辺の小川の ささやきも
なれにし昔に 変らねど
荒れたる 我家に
住む人 絶えてなく

2 
昔を語るか そよぐ風
昔をうつすか 澄める水
朝夕かたみに 手をとりて
遊びし友人 いまいずこ
さびしき 故郷や
さびしき 我家や

門辺(かどべ) ⇒ 門の近くのこと
なれにし(馴れにし)⇒ 馴れ親しんだこと
かたみに(互に) ⇒ 互いに・かわるがわる

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