鯉のぼり(いらかのなみと)

童謡・唱歌

t f B! P L

1913年(大正2年)の「尋常小学唱歌 五年用」で発表されました。

作詞・作曲不詳とされていますが、1913年(大正2年)弘田龍太郎が東京音楽学校(現在の東京芸術大学)在学中(21歳)に作曲したとして、作曲は弘田龍太郎としているところもあります。

鯉が滝を登って行く様子になぞらえて男の子が立派に育ってほしい、という願いが込められた歌詞です。文語調で硬い感じで内容も分かりにくいためか、最近ではもう一つの口語調の「こいのぼり(屋根より高いこいのぼり)」のほうが主に歌われているとのことです。

 鯉のぼり


鯉のぼり  作詞・作曲:不詳

1 
甍の波と 雲の波
重なる波の 中空を
橘かおる 朝風に
高く泳ぐや 鯉のぼり

2 
開ける広き 其の口に
舟をも呑まん 様見えて
ゆたかに振う 尾鰭には
物に動ぜぬ 姿あり

3 
百瀬の滝を 登りなば
忽ち竜に なりぬべき
わが身に似よや 男子と
空に躍るや 鯉のぼり

甍(いらか)⇒ 瓦葺きの屋根のこと。
橘(たちばな)⇒ 「みかん」の一種で、日本固有の柑橘類です。
百瀬(ももせ)⇒ 多くの急流・多くの滝などの意味です。

この「鯉のぼり」はいかにも男の子らしく、元気よくといった感じですが、もう一方の「こいのぼり」は少し幼少向けの可愛らしい歌となっています。

QooQ