田舎の冬

童謡・唱歌

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1931年(昭和6年)「新尋常小学唱歌(五)」に掲載されました。

山の上は雪で白く染まり、柿の木に残った実が朝日に照らされて輝き、稲を刈り取った後の田んぼには雀が群がり落穂をついばんでいる。そんなのどかな冬の田舎の風景が、もの哀しいメロディーに乗って伝わってきます。

田舎の冬

うた


演奏

    
田舎の冬  作詞者不詳/作曲:島崎 赤太郎

1 
ましろにおく霜 峰の雪
しずかにさめくる 村の朝
ホウイホイ ホウイホイ むら雀
かり田のかかしに ひの光

2 
ひなたにつづるは 古ごろも
軒には垂氷(たるひ)の とくる音
ホウイホイ ホウイホイ かん烏
門辺の枝には 柿二つ

3 
いろりにほだたく 夕けむり
枯野に風立ち 日のくるる
ホウイホイ ホウイホイ 渡り鳥
鎮守の林に 宿かさん

むら雀 ⇒ 群れている雀。
かり田 ⇒ 稲を刈り取ったあとの田んぼ。
ひなたにつづるは 古ごろも ⇒ 日向に古い着物をぶら下げておくようす。
たるひ ⇒ 垂氷と書いて、雨や雪などの水滴が凍って垂れ下がった「つらら」のこと。
とくる ⇒融くると書く。融けること。
かん烏 ⇒ 寒烏のことで、冬の烏のこと。
ほだ ⇒ 榾(ほだ・ほた)と書き、囲炉裏や焚火などに使う木の枝などのこと。

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