作曲:瀧廉太郎
発表:1901年(明治34年)
収録:『幼稚園唱歌』
「ほうほけきょ」は、明治時代を代表する作曲家・瀧廉太郎(1879~1903)が、作詞・作曲の両方を手がけた幼児向けの歌曲です。1901年(明治34年)に刊行された『幼稚園唱歌』に収められました。『幼稚園唱歌』は、幼児が親しみやすい題材と、口ずさみやすい旋律によって構成された、日本の初期の幼児唱歌集の一つです。
歌詞は、小さな子どもと梅の花、そしてウグイスの鳴き声を題材にしています。「小さい子、小さい子」と問いかけるように歌が始まり、梅の香りを楽しみ、最後には「けきょけきょ、ほうほけきょ」というウグイスの鳴き声で結ばれます。子どもの会話を思わせる素朴な構成と、鳥の鳴き声を取り入れた親しみやすさが、この曲の大きな特徴です。
音楽的にも、幼児が無理なく歌えるように簡潔で分かりやすく作られています。研究資料では、伴奏の8分音符の動きが鳥の鳴き声を思わせる効果を生み出していると分析されています。また、鳥の羽を「黄色い青い着物」と表現するなど、子どもの想像力を刺激する工夫も見られます。
「ほうほけきょ」は、『荒城の月』や『花』などで知られる瀧廉太郎が、幼い子どもたちのために作った作品です。日本の近代的な童謡・幼児唱歌の成立を考えるうえでも興味深い一曲であり、明治期の日本で、子どもが楽しみながら歌える日本語の歌を生み出そうとした瀧廉太郎の試みを伝えています。
ほうほけきょ
ほうほけきょ 作詞・作曲:瀧 廉太郎
(問) 小さい子 小さい子 お前はなにをして居ます
(答) 私は梅をかいでます
(問) 梅をかいでそれから
(答) それから歌をうたいます
(問) 何の歌をうたいます
(答) 黄色い靑い着物着て
(合唱)けきょ けきょ けきょ けきょ ほーほけきょ

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