曲名:卒業式歌
作詞:不詳
作曲:瀧 廉太郎
発表年:1900年(明治33年)
収録:『新選國民唱歌』
この曲は1900年(明治33年)2月、共益商社楽器店から出版された『新選國民唱歌』に収録されました。発表当時、瀧廉太郎は20歳。後に「花」「荒城の月」「箱根八里」などを生み出すことになる若き作曲家が、明治時代の卒業生に向けて作った作品です。
歌詞では、学校で学んだことを基礎として、それぞれの道に進み、努力して身を立て、社会や国のために尽くしていこうという卒業生への期待が歌われています。現在の卒業式歌とは少し異なり、明治時代らしい国家や社会への貢献を重視した内容が特徴です。
「卒業式歌」は長い間、その存在が広く知られていませんでしたが、2011年に研究者の斉藤基彦氏によって発見され、瀧廉太郎の作品として改めて注目されました。瀧廉太郎の現存作品を知るうえでも貴重な一曲です。
若くして世を去った瀧廉太郎が20歳の時に作曲した「卒業式歌」は、明治期の学校教育と音楽文化を知ることのできる作品であり、今日では瀧廉太郎の知られざる作品の一つとして紹介されています。
卒業式歌(瀧廉太郎)
卒業式歌 作詞:不詳 作曲:瀧 廉太郎
1
おさめしわざの数々は
我身の為と 国のため
学びしことを 本(もと)として
田つくりたくみ あきなふも
いそしみはげみ 身を立てて
人をも富まし 世をとまし
やしまの民の さとき名を
外国(とつくに)までも かがやかせ
2
おさめしわざの数々は
我身の為と 国のため
学びしことを本(もと)として
干(たて)ともなりつ 城となり
力をつくし 身をつくし
君をも守り 世を守り
やしまの民の たけき名を
外国(とつくに)までも かがやかせ
私の憶測ですが、2番の「干(たて)ともなりつ 城となり」は「干城(かんじょう)」 から来ているのでしょう。「干」は楯(たて)のことで「干城」とは 楯や城となり、敵から国家を守る人々のことです。
やしま=八島・八洲(やしま)のことで古くからの日本の呼称の一つで、八は数が大きいことを示しており、「多くの島からなる国」の意味でもあります。
さとき=敏い(さとい)の連体形で、「賢い」「理解が早い」などの意味。「目ざとい」などとも使う。
たけき=猛き= 強く勇ましい。勇敢。

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