作詞:東 くめ(1877~ 1969)
発表・出版:1900年(明治33年)11月1日
収録:組歌「四季」
「納涼(のうりょう)」は、作曲・瀧廉太郎、作詞・東くめによる歌曲です。1900年(明治33年)11月1日に出版された組歌「四季」の中の一曲で、「花」「納涼」「月」「雪」の4曲によって春夏秋冬が表現されています。「納涼」は、そのうち夏を担当する作品です。
「納涼」という言葉には、暑い夏に涼しさを求めて過ごすという意味があります。この曲では、夏の暑さの中で感じる夕暮れから夜にかけての涼やかな空気や、静かで風情のある夏の情景が歌われています。華やかに盛り上がるというよりも、落ち着いた旋律によって、昔の日本人が味わった夏の夜の風情を感じさせる作品です。
瀧廉太郎は「四季」を作曲するにあたり、日本語の歌詞そのものを大切にし、その内容や日本語の美しさに合った音楽を作ろうとしました。当時は、西洋の歌曲や旋律に日本語の歌詞を当てはめた唱歌も多く、廉太郎は日本語の歌詞に基づいて作曲することによって、日本独自の歌曲を発展させようと考えていました。
この「納涼」は、瀧廉太郎が20歳前後という若さで作曲した作品です。後に「荒城の月」や「花」などで知られることになる廉太郎が、日本語と西洋音楽を結びつけながら、新しい日本歌曲を生み出そうとしていた時期の重要な作品の一つといえるでしょう。
納 涼(瀧廉太郎)
歌詞は著作権保護期間中なので掲載しません。
「春のうららの隅田川」と歌い出す「花」がこの組歌の第1曲ですが、他の三曲が歌われることは殆どないようです。しかしその曲はどれも素晴らしく、もっと多く歌われて欲しいものです。

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