作詞:梅木三郎 
作曲:佐々木俊一
発表:1939年(昭和14年)

「長崎物語」は、1939年(昭和14年)に発表された流行歌で、由利あけみの歌唱によって広く知られるようになりました。長崎の異国情緒と、江戸時代の悲しい歴史を題材にした歌として、現在も歌い継がれています。

歌の主人公は、いわゆる「じゃがたらお春」として知られる女性です。江戸時代、鎖国政策のもとで海外へ追放された混血児たち(一説によると32人)の中に、14歳の少女お春がいました。お春はジャカルタ(当時の呼称はジャガタラ)へ送られた後も日本への望郷の思いを抱き続け、その悲しい運命が歌の題材となっています。

歌詞には「阿蘭陀屋敷」「出島」「平戸」など、長崎を象徴する地名や風景が登場します。異国情緒あふれる長崎の町並みを背景に、故郷へ帰ることのできないお春の悲しみと望郷の念が描かれているのが、この曲の大きな特徴です。

長崎物語


作詞:梅木 三郎           作曲:佐々木 俊一
歌詞は著作権保護期間中のため掲載しません。

なお、この曲には興味深い成立事情があります。1937年(昭和12年)に発表された「ばてれん娘」という曲の旋律をもとに、梅木三郎の詞を合わせて完成したとされます。「ばてれん娘」も混血児の受難を題材としており、同じ佐々木俊一の作曲でした。

「長崎物語」は、単なるご当地ソングではなく、長崎に残る異国文化と江戸時代の歴史を重ね合わせ、ひとりの女性の望郷の悲しみを歌った作品です。美しく哀愁を帯びた旋律とともに、昭和初期の流行歌を代表する長崎の歌の一つとして知られています。

QooQ